【禅聴者ブログ】新人の早期離脱、本人だけの問題か?

こんにちは。禅聴者冨ヶ原です。

ゴールデンウィーク明け――
「出社してこない新入社員がいる」
「連絡がつかない」
そんな声を聞くことは、実は珍しくありません。
中には退職代行を使って辞めてしまう人もいるようです。

するとつい、
「今年の新人の質は…」
「最近の若い世代は…」
と、相手に原因を求めたくなる声も出てきます。

もちろん、マナーを欠いた辞め方を肯定するつもりはありません。
しかし、果たしてこの問題は本人だけの問題なのでしょうか。


採用時点から始まっている「すれ違い」

実際に、こうした離職の原因は、採用の段階から始まっていることも少なくありません。

たとえば――

  • 「とにかく人が足りないから、とりあえず採用しよう」

  • 「面接では表面的な受け答えだけを見て判断」

  • 「志望理由が明確でないことに目をつぶって採用」

こうした場面、思い当たる方も多いのではないでしょうか。

採用する側も、どうしても“数”や“スピード”に目が向きがちです。
ですが、「人財」としての本質を見抜く視点が欠けていると、あとでその
シワ寄せが来るのです。


「入社がゴール」の若者たち

一方、就職する側も「とにかくどこかに入れればいい」という動機のまま、自己理解や目標設定がなく
入社するケースが目立ちます。

「なぜこの会社なのか?」
「ここで何を学び、どんな成長をしたいのか?」

こうした問いに、明確な答えがないまま入ってきた人財は、現実と理想のギャップに耐えられず、
心を閉ざしてしまうこともあります。


見るべきは“言葉の奥”と“姿勢の根”

禅聴者として感じるのは、「人を見る」ときに必要なのは、表面的なスキルや受け答えよりも、
その人の“意識の根”に耳を澄ませることです。

面接で志望動機を語っていても、
・本当に自分の言葉で話しているか
・未来に向けて自分なりのビジョンを持っているか

こうした点を丁寧に“聴く”姿勢が、採用側には求められます。

たとえ口下手でも、「ここで成長したい」という芯のある思いを持った人財は、
時間をかけて大きく伸びていきます。


迎え入れる側の「土台」も問われている

採用したあとも大切なのは、どんなふうに迎え入れたかです。


例えば、

  • 困っている様子に気づけたか

  • 信頼関係を築く土壌があったか

社員の離脱は、組織の鏡でもあります。


「辞められた」ではなく「どう関わっていたか」を振り返る

今一度、問いかけてみてください。

「この社員と、どんな関係を築こうとしていたか」
「相手の本音や不安に耳を傾けていたか」

人は、本気で“聴いてくれる”存在に出会ったとき、自分と向き合い、関係性を大切にしようとします。

採用はスタートであってゴールではありません。
その人が「ここで成長したい」と感じられる環境をどう築いていくか――

その問いと向き合うことが、人財育成の本質の一つではないでしょうか。

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