【禅聴者ブログ】根本に向き合うリーダーシップ~ 藤川監督の優勝インタビューより

こんにちは。禅聴者冨ヶ原です。

 

阪神タイガースをリーグ優勝に導いた藤川球児監督。
その優勝後のインタビューで語った言葉が、とても示唆に富んでいました。

まず、秋季キャンプで「毎年同じ場所で故障者が出る」という事実について。

藤川監督は「過去の故障歴を調べたら、すべて同じ場所だった。
であれば、まず場所を変えることが先決だ」と述べました。
これはまさに、課題の“根本”に目を向ける姿勢です。
多くの場合、故障が出れば「練習量が多すぎた」「体の使い方の問題」といった要因に目を向けがちです。
しかし藤川監督は、表面的な現象にとらわれず、繰り返される根本原因――つまり「環境そのもの」に切り込みました。

さらに、チームの運営においても特徴的な判断をしています。
ヘッドコーチを置かず、自らが選手と直接コミュニケーションをとることを選んだとのこと。

「意思疎通のためには、風通しのよいコミュニケーションが一番大切。だから自分にはヘッドコーチは必要ない」という言葉に、強い信念を感じます。

ここから見えてくるのは、課題は表面にあるのではなく、常に根本にあるということ。
そしてもう一つ大切なのは、意思疎通ができるのは、直接のコミュニケーションがあってこそという点です。

間に誰かを挟んだり、文章やオンラインなどの“二次的な伝達”を介してしまうと、どうしても感覚のズレが生まれます。

例えば、空気感やちょっとした仕草、雰囲気など、非言語の部分は非常に大切ですが、これらは直接会って初めて受け取れるものです。
言葉以上に人の本音や思いがにじみ出る“感覚の情報”を感じ取ることは、リーダーにとって欠かせない要素なのです。

これはスポーツの世界に限った話ではありません。
私たちの職場にも、同じことが言えます。

人間関係のトラブルや離職、売上不振など、日々起きる課題には必ず根本の原因があります。
それを「個人のやる気」や「人手不足」と決めつけてしまえば、同じ問題は繰り返されます。

リーダーに求められるのは、表面的な現象に振り回されることなく、
「なぜ繰り返されるのか」「根本はどこにあるのか」と問い直す姿勢です。

藤川監督のように、環境を変える勇気を持つこと。
そして、直接のコミュニケーションを通して非言語のサインを感じ取ること。
それこそが、チームを勝利へと導くリーダーシップなのです。

 

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